Firenze-Oltrarno.net: トピックス、ワンショット、インタビュー、今月のおすすめなど、フィレンツェ、オルトラルノ地区で起こる小さな出来事いろいろ。
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 味の職人

今回は、セッラーリ通りにあるエノテカ・ベーネ・ヴォービスを訪問。インタビューに応じるのはオーナーシェフでソムリエでもあるダニエラ・メノッツィさん。カウンター前には無数のワインボトルが並ぶ。まるで図書館に並ぶ本のようにボトル一本一本がワインのストリーを語ってくれる。

まず最初に浮かぶ疑問は、“ベーネ・ヴォービス”って、なんて言う意味?
イタリア語とラテン語をミックスした言葉。“貴方達に良いものを”、つまりこのエノテカを訪れる人たちを歓迎する言葉なのです。

オープンしたのは、何年前?
ちょうど10年。最初はワインとともにチーズやハム類をおつまみとして出していました。そのうちにトスカーナ料理を提供するようになりました。10年間変わらぬ情熱を持って、いや、むしろ時が経つにつれ増しています!

なぜ、オルトラルノに店を?
なぜなら、ここには本当のフィレンツェ精神がまだ生きているからです。職人工房もたくさんあるし、他の地域では失われた日常がオルトラルノには残っています。
正直言って、最初は苦労しました。私はこの地域の人間ではありません。(ダニエラさんはフィレンツェ中心部から少し外れたガヴィナーナ地区出身)言ってみればガヴィナーナもオルトラルノですが、ここはフィレンツェ人気質が大変根強く、彼等にとって私は外国人のようなものです。
でも、オルトラルノには独特の雰囲気がある。私はそれを守っていくために何かしたいのです。サントスピリトのような大きい広場だけでなく、店の周辺を走る誰も知らない小さな裏道まで。
この雰囲気があるからこそ、オルトラルノはおいしい料理とおいしいワインを提供するのに最適な場所なのです。観光客だけでなく、フィレンツェの人たちにもです。私たちの伝統、私たちの文化がそこにもあるからです。美術館や他の有名な場所だけでなく。

おいしいワインと、おいしい料理。どちらが、より大事?
両方とも大切です。お互いに補う合うからです。おいしい料理は、おいしいワインを必要とします。あ、でもおいしいワインって、高いワインという意味じゃないですよ!おいしく飲むということは好みで選んだのですから、ワインの本質に近づくということです。つまり、食べ物の味を理解し、どのワインが合うかを理解するのです。
それが私たちの仕事です。一つのメニューを提供するということは、文化の一部を提供するということ。ウインドーに自らの作品を並べるのと同じです。

つまり、貴方も職人なんですね!
ある意味ではそうですね。完璧に近づけること、ひとつひとつ細かい所に注意を払うことは私にとっては基本です。古い伝統を生かす、まさにこの地域の職人達がやっていることですよね!
職人は作品をひとつひとつ創っていく、同じものは二つとしてありません。私に言わせれば一皿の料理も同じことです。この店で、パスタもクッキーも作ります。手作りの味が、ここにはあります。何かを創り出すこと、その何かは世界で一つしかないのです。
伝統と言えばもう一つ、仕事のやり方、材料の選び方があります。例えば今私たちは、栗の粉のニョッキを作っています。メニューには豚あばら肉のローストに黒キャベツ添えがあります。これらは、今の季節のものです。1年の中で常に旬のものを使うよう心がけています。
もう一つ、他の職人との共通点はお客様とのつながりです。他の職人達がよく交わす会話に“おい、5年前に来た客がまた戻って来たよ”と、言うことがあります。私たちの所にもずいぶん間をあけてから、また来て下さるお客さんがいます。世界中からね。なぜなら、時間をかけて私たちの提供するものが理解できるのです。私たちにとっては、とてもうれしいことですね。

気の長い職人さんですね。
もちろんです。そうでなければこの仕事をしてませんよ!

オルトラルノの将来をどう見ていますか?
私は楽観的に見ています。時間はかかるでしょうけれど、(私はここで生まれた訳ではないけれど)ここで生きている私たちがまず生まれ変わっていくでしょう。古いもの、同時に新しいものを訪れる人に提供していくのです。もともとオルトラルノが昔からやって来たことですよ。

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